
ジュニアのための上達12ヶ条
第1条:意欲ある練習が上達を生む
ギターが上手になるには、ギターを好きであることが第一条件です。しかし、幼児や小学生の場合、自分の意志よりもご両親の勧めで始めることが多いでしょう。その場合、好きになる前の段階として、練習に夢中になれる何かが必要になります。
例えば、「先生の指導が上手で練習が楽しい」「上手に弾くとお父さんやお母さんに褒めてもらえて嬉しい」「最初はできなかった曲が、何度も練習するうちに弾けるようになって面白い」「憧れのギタリストのようになりたいから一生懸命練習する」…など、動機は何でも構いません。そうした思いを持って意欲的に練習を続ければ、上達も早くなり、いつしかギターが大好きになっているはずです。
逆に、意欲のない練習をいくら続けても上達は望めない、ということを覚えておきましょう。
第2条:毎日練習する習慣をつける
ギターを上達させるには、毎日練習することが必須です。なぜなら、人間の脳は覚えたことを少し経つと忘れてしまう性質を持っているからです。そのため、練習したりしなかったりでは「覚える」と「忘れる」の繰り返しになり、なかなか上達が積み重なっていきません。
しかし、人間の脳にはもう一つ素晴らしい能力があります。それは、覚えたことを忘れる前に思い出す作業を繰り返していると、いつの間にか忘れなくなるというものです。
皆さんも、自転車に乗る練習をした時のことを思い出してください。練習したりしなかったりでは、いつまで経っても乗れるようになりません。でも、毎日一生懸命練習を繰り返しているうちに、ついに乗れるコツが掴めますよね。そうなると、今度は何年自転車に乗らなくても、いつでも乗れるようになります。皆さんが日本語を自然に話せるのも、毎日使っているからです。反対に、英語のように学校で時々勉強するだけでは、なかなか話せるようにはなりません。
さあ!今日からギターの練習を毎日の習慣にして、どんどん上達しましょう。
第3条:上達する練習、しない練習
毎日練習することの大切さは前回お話ししましたが、ただ毎日練習しても、上達する練習としない練習があるので注意が必要です。では、その差はどこにあるのでしょうか。
それは、その日の練習で何も良くならなかった練習は、上達しない練習だということです。それは、今の実力を維持するだけの練習なのです。反対に、「昨日できなかったところができた」「新しいフレーズが弾けるようになった」など、少しでも上達を実感できる練習が、本当の意味で「上達する練習」なのです。
1日に一歩でも確実に進歩すれば、それは立派な進歩です。1週間経てば七歩も進む計算になり、簡単な曲なら1曲分にもなります。同じ曲を10回弾くにしても、ただ何となく弾いたのでは1回目も10回目も変わり映えせず、上達につながりません。1回目より2回目、2回目より3回目と、少しでも良くなるように真剣に練習すれば、10回目には演奏の正確さや滑らかさが明らかに向上しているはずです。
「早く遊びたい」と、うわの空で10回弾いても上達しません。一回一回の練習に集中すれば、メキメキ上達していきますよ。
第4条:やさしい曲とむずかしい曲では練習法が違う
曲にはやさしい曲とむずかしい曲があります。やさしい曲は普通に練習していれば自然に仕上がりますが、むずかしい曲はなかなかそうはいきません。むずかしい曲をやさしい曲と同じように練習していては、いつまで経っても完成しないのです。
では、むずかしい曲を仕上げるにはどうすれば良いのでしょうか。それには、むずかしい曲用の特別練習が必要です。むずかしい曲と言っても、最初から最後までむずかしいわけではありません。ある一部分が特にむずかしいために、曲が完成しないのです。ですから、そのむずかしい部分だけを取り出して、できるまで何度も繰り返すのが「特別練習」です。
これは、皆さんが大好きなテレビゲームを例にすると分かりやすいでしょう。簡単な場面はすぐにクリアできますが、むずかしい場面は何度も失敗を繰り返しながら、少しずつクリアできる確率を上げていきますよね。そして、ついには余裕でクリアできるまでになり、次のステージに進めます。ギターの難所も、その要領で練習すれば良いのです。
ただし、ゲームの場合は難関をクリアしないと次に進めないので夢中で反復練習しますが、ギターの場合は苦手な箇所をそのままにしても次のフレーズに進めてしまいます。それでは本当の上達は望めません。
むずかしい曲こそ上達のチャンスです。テレビゲームのように反復練習を繰り返し、しっかりクリアしてから次の曲に進みましょう。
第5条:1週間という単位を有効に使おう
私たちの生活は、学校も習い事も1週間単位で回っています。ギターのレッスンも、普通は週に1回でしょう。だからこそ、この1週間という単位をとても大切にする必要があります。
1週間に1つ成果が出せれば、1か月で4つ、1年で48個もの成果につながります。さらに頑張って週に2つ、3つと成果をあげられれば、1年間の成果は2倍、3倍に膨らみます。反対に、1週間に1つも成果をあげられない練習をしていたらどうなるでしょう。1か月経っても1年経っても、上達は望めません。
良い成果をあげるには、1日1日を充実させることが大切です。1日に1か所でも「良くなった」と思える部分を作らないと、1週間の成果には結び付きません。
ですから、まず1週間の目標を立て、そのために「今日はこれをやる」という1日の目標を確実に達成していきましょう。この方法を続ければ、1年後には自分でも驚くほど上達しているはずです。
第6条:レッスンは休まない
前回述べた1週間という区切りをしっかりつけるためにも、レッスンは大きな役割を持っています。「レッスンは絶対に休まない」という考え方と、「練習があまりできなかったから今週は休もう」という考え方とでは、上達にとても大きな差が生まれます。
前者の場合、もし練習時間が取れなくても、時間を作り出す工夫をするでしょう。5分、10分のすきま時間も無駄にせず、少しだけ早く起きたり、食事の時間を切り詰めたりして、時間を作ろうとします。また、課題がむずかしい時には、いつもより集中力を高めたり練習時間を増やしたりと、「今週中に必ず仕上げてみせるぞ」という強い気持ちが湧いてきます。
反対に後者の場合、「今週は休むからいいや」とか「来週までにできればいいや」などと、どうしても消極的になりがちです。これでは目覚ましい上達は期待できません。
もちろん、練習をサボったのにレッスンに行くのは、また別の問題ですよ。
第7条:同じ注意は2度されない
第8条:一生懸命だけではダメ!
第9条:朝練のすすめ
第10条:メトロノームを活用しよう
第11条:基礎練習は主食のゴハン
第12条:楽譜をすみずみまで読もう


