
なぜ一体のテディベアが2000万円もの価値を持つのか?

一体のテディベアが、高級車一台分に相当する2000万円もの価格で落札されたことがあります。
その素材は、どこにでもあるモヘアやウッドウール。素材そのものに、それほどの価値はありません。
では、なぜこれほど高額な評価を得たのでしょうか。
その答えは、テディベア「テディガール」と、その持ち主であったボブ・ヘンダーソン氏の物語にあります。
戦場を共にした相棒「テディガール」
ボブ・ヘンダーソン氏は、第二次世界大戦でノルマンディー上陸作戦にも参加したイギリス軍の将校でした。
彼は、10歳の頃から大切にしていたテディベアの「テディガール」を、熾烈を極めた戦場にまで連れて行ったのです。
陣頭指揮を執る将校という立場は、想像を絶するプレッシャーとの戦いだったことでしょう。
そんな極限状況において、「テディガール」は彼の精神的な支えとなり、心を落ち着かせるための大きな癒やしとなりました。
晩年、ヘンダーソン氏は熱心なテディベアコレクターとなり、「Good Bear」という慈善活動を始めます。
それは、災害や困難な状況にある人々へテディベアを寄付し、かつて自身がテディベアに救われたように、心の安らぎを分かち合う運動でした。
この活動は世界中の人々の共感を呼び、大きく広がっていきます。
彼の没後、この功績のシンボルであった「テディガール」は、世界的に有名なクリスティーズ・オークションに出品され、2000万円という驚くべき評価を得たのです。
この価格は、テディベアそのものへだけでなく、持ち主の人生への敬意や、共に過ごした時間への深い愛情が込められた価値だと言えるでしょう。
僕の相棒、テディベアの「ボブ」
映画スターのように有名になった「テディガール」の話をしましたが、すべてのテディベアには、持ち主だけの特別な物語があります。
そして、僕にもかけがえのない相棒がいます。
彼の名前は「ボブ」。出会ってから20年以上になる、僕の大切な相棒です。
ボブは、イギリスのテディベア作家であるシュルツさんが作ってくださった、特別なミニチュアベア。予約してから2年、待ちに待ってようやく手にすることができた一体です。
トレードマークの小さな鍵と、シュタイフを思わせる少し野性的なデザインが気に入っています。
我が家には、ボブの「後添いに」と譲っていただいた同じシュルツさん作のベアや、作者不明の愛らしい「アンノンベア」もいて、3匹並んだ姿は僕の宝物です。
人生の辛い時を支えてくれた「恩熊」
中でもボブは、僕にとって単なるぬいぐるみではありません。
本当に辛くて、もうダメかもしれないと思った時も、いつも静かにそばにいて、僕を支えてくれました。
彼は、僕の「恩人」ならぬ「恩熊(おんくま)」なのです。
有名な「テディガール」がそうであったように、人は誰でも、こうしたマスコットのような存在がそばにいてくれることで救われる瞬間があるのではないでしょうか。
テディベアはもちろん言葉を話しません。
しかし、まるで生きているペットのように、人生のあらゆる場面で持ち主にそっと寄り添い、共に歩んでくれるのです。
僕は、テディベアがそんな「言葉のない大切な伴侶」になりうる存在だと、心から信じています。
なぜ、これほどまでにテディベアは人々を魅了し、愛され続けるのか。その理由は簡単には説明できないかもしれません。
しかし、テディベアによって救われた人生が数多く存在することは確かです。
だからこそ、この記事を読んでくださった男性の皆さんにも、ぜひ一体、お気に入りのテディベアを側に置いてみてほしいのです。
きっと、あなたの毎日を、少しだけ温かく照らしてくれるはずですから。


