
テディベアのすすめ - なぜ、私たちはこのぬいぐるみに惹かれるのか
私にはもちろん、長年の相棒であるテディベアがいます。アンティークではありませんが、20年以上前にイギリスの作家さんから迎えた、体長10cmほどの小さな子です。その名も「ボブ」。これは後ほどお話しする「ボブ・ヘンダーソン」にちなんで名付けました。私の大切なボブのことは、また改めて詳しく書こうと思います。
まずは一体、自分のために迎えてみませんか?
このページのタイトルは「テディベアのすすめ」ですが、私が伝えたいことはシンプルです。とにかく一体でいいので、ご自身のためだけにテディベアを買ってみてほしいのです。
小さなものでも、大きなものでも構いません。最初は安価なものでも良いですが、ぜひ色々なテディベアに触れて、いずれは「これだ」と思える、それなりの価格のものを選んでみてほしいと思います。ネットでも手軽に購入できますが、できれば実物を見て、その表情や手触りを感じていただきたいです。
専門店はなかなか見つからないかもしれませんが、全国で様々なイベントやコンベンションが開催されています。詳しくは日本テディベア協会のホームページなどを参考に探してみてください。
ただのぬいぐるみではない、テディベアが持つ不思議な力
「なぜ、わざわざ自分のためにテディベアを?」と思われるかもしれません。その本当の意味は、テディベアが歩んできた歴史や、それにまつわるエピソードを知ることで、きっとご理解いただけるはずです。
以前、著書にも書きましたが、なぜテディベアの中に2000万円もの値がつくものが存在するのでしょうか。高価な宝石が使われているわけでも、金やプラチナでできているわけでもない、ただのぬいぐるみです。世界に一つしか無いという希少価値ももちろんありますが、最大の価値は、そのテディベアが「グッド・テディベア」としてのシンボル的な存在だからに他なりません。
「グッド・ベア」とは、20世紀の戦後、ボブ・ヘンダーソンという人物が始めた慈善活動のことです。孤児院や災害地などで心に傷を負った子供たちのために、テディベアを寄付する運動でした。つまりテディベアは、心のケアの道具として、多くの人々を癒し、助けてきたという確かな実績があるのです。
例えば、ドイツの救急車には、怪我をした子供を安心させるためにテディベアが一緒に乗っているそうです。包帯を巻いたテディベアの写真が世界中に多いのも、そうした背景があるからでしょう。
その愛らしさと癒やしの力は、イギリスや日本の皇室にも愛されています。イギリスには王室御用達のテディベアメーカーもあるほどです。ロシア皇帝が所有していた悲運のテディベア「アルフォンゾ」の話も有名ですね。
あまり大声で語られることはありませんが、テディベアは、大きなプレッシャーを抱える立場の人や、強いストレスに苛まれる人々の心の拠り所として、静かにその役割を果たしてきました。何を隠そう、この私自身も、過去にテディベアによって救われた経験を持っています。
こうして書き始めるとキリがありませんが、テディベアには本当に不思議な力があります。以前、テレビ番組「なんでも鑑定団」でおなじみの北原照久(※編集部注:正しくは北原照久氏、またはおもちゃ鑑定の専門家)氏も、アンティークテディベアを「世界の七不思議の一つ」と評していたことを思い出します。
そんな不思議な魅力を持つテディベアです。だまされたと思って、まずは一つ、あなたの相棒を見つけてみるのも、きっと素晴らしい体験になるはずです。


